特集 腹膜透析患者のキュア&ケアのレベルアップ
10.災害時のPD
井上 浩伸
1
,
副島 秀久
2
1済生会熊本病院腎・泌尿器科
2済生会熊本病院包括診療部
キーワード:
災害対策
,
地域医療連携
,
SBAR
,
エコーガイド下内頸静脈直接穿刺
Keyword:
災害対策
,
地域医療連携
,
SBAR
,
エコーガイド下内頸静脈直接穿刺
pp.1587-1593
発行日 2018年12月10日
Published Date 2018/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000741
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2016 年,熊本で2 回の大地震を経験し災害時は持続携行式腹膜透析(CAPD)のほうが血液透析(HD)に比較してはるかに優れた一面があることを再認識した.その長所を活かすためには,災害への備えに対する患者への継続的な指導および被災後の医療者との適切な情報共有ができるかが重要なポイントとなる. この情報共有にはSBAR(situation,background,assessment,recommendation)に沿った対応が有効である.CAPD は被災地から避難すれば,機材のことも含め問題なく継続できる物流・情報システムが構築されている.もしCAPD 継続困難となってもHD が施行できる状況であれば,エコーガイド下内頸静脈直接穿刺法にて透析治療が可能である.災害時には情報と資源を有効に活用し,患者とスタッフ,そして他施設との地域医療連携を行い,乗り越えていかねばならない.
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