特集 透析患者の体力と認知力を考える―患者と家族が満足するキュアとケア
[各論]10.笑いに認知症予防効果はあるか?
伊藤 孝史
1
1島根大学医学部附属病院腎臓内科
キーワード:
慢性腎臓病
,
透析
,
認知機能障害
,
笑い
Keyword:
慢性腎臓病
,
透析
,
認知機能障害
,
笑い
pp.507-510
発行日 2018年5月10日
Published Date 2018/5/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000440
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慢性腎臓病(CKD)患者では脳卒中,認知症を発症するリスクが高く,eGFR が低下するに従い,認知機能障害の罹患率も増加することが示されている.透析患者でも認知機能障害の危険性が増加しており,COGNITIVE―HD研究では,71.1 %の患者になんらかの認知機能障害があると報告されている.日常生活においてよく笑うということは高次脳機能が維持されていることを反映する可能性があり,また笑うことは高次脳機能の維持に働く可能性がある.透析患者において笑いが認知症を予防するという報告はないが,日常生活において笑いの頻度を増やすことで脳卒中の危険因子を改善することにより,認知症予防につながる可能性がある.
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