特集 透析患者向け治療食の最先端
[コラム] 透析患者におけるマグネシウム・葉酸
坂口 悠介
1
,
濱野 高行
1
1大阪大学大学院医学系研究科腎疾患統合医療学
pp.1600-1601
発行日 2017年11月10日
Published Date 2017/11/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000243
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食生活の欧米化に伴い,先進国ではMg 摂取不足が蔓延している.たとえば米国人の約半数はMg の摂取量が推定平均必要量に達していない1).Mg は緑黄色野菜,海藻・海産物,豆・ナッツ類に豊富に含まれている.したがって,カリウム(K)制限を必要とする透析患者ではMg 摂取不足の傾向はさらに顕著となる.血液透析患者91 例を調査したスペインからの報告では,Mg 摂取推奨量を満たした症例はわずか2 %にすぎなかった2).血液透析患者では,透析液Mg 濃度が一定であれば,血中Mg 濃度とMg 摂取量には強い相関があり,Mg 摂取不足は血中Mg 濃度の低下につながる3).血中Mg 濃度低値は透析患者の死亡リスク上昇と関連するため4),K 制限を踏まえたうえで,Mg を不足させない栄養学的アプローチが求められる.
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