特集 透析患者向け治療食の最先端
[最新栄養学を透析患者にどのように取り入れるか! 将来展望] 3.エネルギー源としての脂質の特性と有効な活用法とは?
渡邉 愼二
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1日清オイリオグループ株式会社中央研究所研究第7 課
キーワード:
サルコペニア
,
低栄養
,
中鎖脂肪酸油
Keyword:
サルコペニア
,
低栄養
,
中鎖脂肪酸油
pp.1583-1589
発行日 2017年11月10日
Published Date 2017/11/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000236
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腎臓病患者にとって,脂質をエネルギーとして過不足なく適切量摂取することは重要である.脂質の過剰な摂取は脂質異常症を介して慢性腎臓病の発症や進行のリスクを高める.一方,エネルギー不足は,蛋白質の異化を亢進させ,サルコペニア発症の要因や,骨格筋減少に伴う耐糖能異常,運動不足の原因となるため,腎機能保護の観点からマイナスである.最近,注目されている中鎖脂肪酸油(MCT)は,ほぼ無味・無臭であり,低蓄積性で消化・吸収に優れる特徴をもち,低栄養やサルコペニアの改善効果が期待されている.その意味でも,MCT は今後,大きな可能性を秘めている.
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