OPINION
AKI,CKD と心腎連関― バイオマーカーを臨床に活かすには
向山 政志
1
1熊本大学大学院生命科学研究部腎臓内科学
pp.1415-1416
発行日 2017年10月10日
Published Date 2017/10/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000223
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慢性腎臓病(chronic kidney disease;CKD)の概念が米国腎臓財団(NKF)により提唱されてから早くも15 年が経過し,今やCKD はわが国および欧米,アジア諸国で「国民病」としての地位を確立した.CKD は腎臓内科よりむしろ健診医学や疫学分野から生まれた概念であるが,さまざまな原因による腎臓病に対して,疾患横断的に糸球体濾過量(GFR)と蛋白尿とのみで規定するこの考え方は,原疾患にかかわらず比較的軽度からの腎障害の重要性を示したことから,循環器内科をはじめとして他の診療領域からはおおむね好意的に迎えられた.一方で,救急医療や集中治療領域ではCKD にやや遅れて急性腎障害(acute kidneyinjury;AKI)という概念が提案され,従来の急性腎不全よりも早期に介入することの根拠を与えたことから,医療現場で受け入れられほぼ定着した感がある.
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