特集 予後改善を目指した透析医療
7.感染症の克服は確実に生命予後を改善する
原田 孝司
1
,
舩越 哲
1
1長崎腎病院
キーワード:
肺炎
,
敗血症
,
肺炎球菌ワクチン
,
インフルエンザワクチン
Keyword:
肺炎
,
敗血症
,
肺炎球菌ワクチン
,
インフルエンザワクチン
pp.1105-1112
発行日 2017年7月10日
Published Date 2017/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000135
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透析患者の死因として感染症が重要な位置を占めることが,日本透析医学会統計調査委員会の統計調査から明らかになっている.死因としての感染症は,肺炎および敗血症が2 大感染症である.肺炎の診療ガイドライン(成人市中肺炎,成人院内肺炎,医療・介護関連肺炎)が日本呼吸器学会から出版されており,肺炎の重症度の判定およびその予防・治療に活用されている.おもな敗血症にはカテーテル関連血流感染やバスキュラーアクセス関連感染および重症下肢虚血の壊疽によるものがある.慢性血液透析用バスキュラーアクセス作製および修復に関するガイドラインが出版されており,治療および予防に活用されている.肺炎球菌およびインフルエンザウイルスのワクチン接種は発症の予防,また肝炎ウイルスに対する直接型抗ウイルス薬は患者の生命予後の改善に寄与することが考えられる.
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