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日本麻酔科学会第72回学術集会講演特集号 招待講演
働き方改革時代における医師のキャリア形成とジェンダー規範~子育て女性医師はどのように働き方を選択するのか~
Physician’s Career Development and Gender Norms in the Age of Work-style Reform:How Female Physicians with Children Make Choices in their Working Lives
内藤 眞弓
1
Mayumi NAITO
1
1株式会社生活設計塾クルー
キーワード:
キャリア形成
,
ジェンダー規範
,
女性医師
,
子育て
Keyword:
キャリア形成
,
ジェンダー規範
,
女性医師
,
子育て
pp.S166-S172
発行日 2025年11月20日
Published Date 2025/11/20
DOI https://doi.org/10.18916/masui.2025130023
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はじめに
今回お伝えする内容は,2021年に博士号を授与された論文1)がベースになっている。36時間連続勤務などの過酷な労働環境のため,女性医師は出産を機に,離職あるいは非常勤転換をする傾向にあることを知り,当初は医師の働き方をテーマに研究する予定だった。医師は専門職のなかでも「確立された専門職」とみなされており2),その専門職に就く女性はジェンダー規範に囚われることはなく,真っ当な労働環境さえ整えれば,出産を機に働き方をチェンジするケースは少なくなるだろうと考えていたからだ。
実際,多くの先行研究において,女性医師は出産・子育てを理由に卒後10年以内に離職,非常勤転換,診療所への転換をする傾向にあることが示されていた。一方,院内保育の整備や当直免除などの労働条件の緩和など,女性医師に対する子育て支援策が行われている事実も示されていた3)。そして,子育て支援だけで女性医師の働き方の転換を防ぐことはできず,ジェンダー規範の影響を指摘する研究が多く見られた4)。
実態を知るために,子育て中もしくは子育て経験のある女性医師にインタビューを行い,家庭領域と職場領域双方におけるジェンダー構造と,それらが女性医師自身のキャリア形成にどのような影響を与えるかを分析することにした。

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