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公益社団法人日本麻酔科学会第71回学術集会講演特集号 招請講演
リアルワールドデータ研究は痛み診療を変えるのか?
Can real-world data studies change pain medicine?
阿部 博昭
1
,
住谷 昌彦
1
,
康永 秀生
2
Hiroaki ABE
1
,
Masahiko SUMITANI
1
,
Hideo YASUNAGA
2
1東京大学医学部附属病院緩和ケア診療部
2東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻疫学保健学講座
キーワード:
リアルワールドデータ
,
観察研究
,
傾向スコアマッチング
,
痛み診療
Keyword:
リアルワールドデータ
,
観察研究
,
傾向スコアマッチング
,
痛み診療
pp.S62-S67
発行日 2024年11月20日
Published Date 2024/11/20
DOI https://doi.org/10.18916/masui.2024130009
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はじめに
昨今,リアルワールドデータを活用した臨床研究がさまざまな診療科で急速に増え,麻酔科分野でも多くの研究が報告されている。本論文ではまず,日本のリアルワールドデータの概要について解説し,そのうちもっとも多く臨床研究に活用されているDiagnosis Procedure Combination(DPC)データベースについて詳説する。次に,ランダム化比較試験(randomized controlled trial:RCT)とリアルワールドデータ研究を比較し,両者の長所と短所について解説する。また,リアルワールドデータ研究における最大の問題である適応交絡に対処するひとつの方法として,傾向スコアマッチングを紹介する。さらに,これまで著者らが行ったDPCデータを用いた痛み研究の実例を紹介するとともに,リアルワールドデータを用いた痛み研究における工夫と限界,限界を克服するための今後の方策を考察し,将来的にリアルワールドデータ研究が痛み診療を変える可能性にも言及する。
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