投稿論文 工夫
低形成耳珠の修正を兼ねた副耳切除術の5例
杉本 同
1
,
関 征央
1
,
宮野 竜太朗
1
,
友近 真世
1
,
沖野 照仁
1
,
大沼 舞
1
,
相原 正記
1
,
梶川 明義
1
杉本 同
1
1聖マリアンナ医科大学形成外科
pp.104-109
発行日 2025年1月10日
Published Date 2025/1/10
DOI https://doi.org/10.18916/keisei.2025010021
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
副耳はAltmann 1)によると発生頻度は1.5 %といわれ,形成外科領域ではよく見られる先天異常である。先天性耳介変形の中で27.0 %と最も比率が高く,縦の紡錘形で単純切除する術式がよく見られる 2)。個数としては1~2個のものが多いが,数個を数えるものもある。また,前述の中村ら 2)によると長径10 mm以上のものが22.8 %もある。それらをすべて単純切除してしまうと,傷跡が複数になり,また傷跡が長くなるため好ましくない。福田ら 3)によると,副耳が大きいと耳珠が欠損し,耳甲介前側にも変形がある場合が多いという。副耳の43.1 %は耳珠軟骨へ連続しているとの報告 2)もあり,大きな副耳が作られることで耳珠が低形成となることは想像に難くない。耳珠が欠損していることは耳介の自然らしさを欠くことにつながる 4)とされている。そのため,各種再建法が考えられているが,瘢痕などの問題が見られている 3)~7)。
そこでわれわれは,大竹らが報告している副耳手術にface lift手術を応用した術式 8)に耳珠形成を加えた術式を行った。大きな副耳かつ耳珠の低形成が見られる5症例に応用し,整容面で良好な結果が得られた。同様な手術はすでに行われている可能性も高いが,文献を渉猟した限りでは発見できなかったため報告する。
Copyright© 2025 KOKUSEIDO CO., LTD. All Rights Reserved.