増刊号 それぞれの創傷治癒
Ⅲ.躯 幹 6.会陰部・骨盤底の創傷治癒
橋本 一郎
1
1徳島大学医歯薬学研究部形成外科学
pp.S173-S178
発行日 2024年6月30日
Published Date 2024/6/30
DOI https://doi.org/10.18916/keisei.2024130040
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
会陰部・骨盤底では男性と女性で存在する臓器が違うため,腫瘍切除術や組織再建術ではその術式や注意すべき点が違ってくる。特に女性では,構造的にも,また女性心理の面からも悪性腫瘍が男性よりも進展していることが多く,再建手術では外尿道口,腟,肛門への影響をより検討する必要がある。術前の機能を維持するためには可能な限り正常な状態,特に左右の対称性に留意した再建を心がける。さらに会陰部・骨盤底は立体的な構造であり,骨盤内臓器が切除される場合には小骨盤腔の充填も考慮する。
本稿では同部位において良好な創傷治癒を得るために必要な解剖学的な特色を説明して,再建手術に用いられる皮弁について解説する 1)~3)。
Copyright© 2024 KOKUSEIDO CO., LTD. All Rights Reserved.