カラーグラフ 臨床家のための病理学・4
外陰部疾患・Ⅲ
滝 一郎
1
1九州大学医学部産婦人科
pp.388-389
発行日 1972年5月10日
Published Date 1972/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204600
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外陰部皮膚はメラニン色素に富んでいる。メラニン色素は,表皮基底層および毛嚢基部に存在するメラノサイト,melanocyteで生産され,隣接する表皮細胞および毛母細胞にとりこまれる。したがつて表皮,毛髪の新陳代謝的発育にともなつて角質層,毛髪の中にメラニンが入りこんでいく。
メラニン色素の産生が増加すると皮膚の着色が強くなる。産生が増加するだけでメラノサイトの増殖のないものをメラノージスmelanosis,黒皮症という。これには表皮性黒皮症(先天性扁平母斑,雀卵斑など)と真皮性黒皮症(蒙古人斑,太田母斑など)とがある。後者では,メラニンが深在するので青色調に見える。
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