増刊号 それぞれの創傷治癒
Ⅲ.躯 幹 2.漏斗胸における創傷治癒
永竿 智久
1
1香川大学医学部附属病院形成外科・美容外科学講座
pp.S154-S158
発行日 2024年6月30日
Published Date 2024/6/30
DOI https://doi.org/10.18916/keisei.2024130036
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はじめに
漏斗胸は,かつてはまれな疾患と考えられてきた。しかし近年,漏斗胸の治療を求めて病院を受診する患者が急速に増加している 1)2)。それには2つの理由があると,著者は考えている。第1はネットによる情報へのアクセスが格段に上昇したことである。第2は治療技術の進歩により,少ない侵襲で良好な結果が出せるようになったことである。
こうして増加しつつある患者を,呼吸器外科・小児外科・心臓外科・形成外科で競合して治療を行っているのが現状である。診療科ごとに得意とする点が異なるので,各診療科はそれぞれの長所を生かしつつ治療にあたっている。
他科と比べた際の形成外科のアドバンテージは,①造形に対する審美感を有していること,ならびに②瘢痕を取り扱う技術を有していることである。整容手術の側面も併せもつ漏斗胸の手術を行うにあたっては,この点で非常に有利である。
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