増刊号 それぞれの創傷治癒
Ⅲ.躯 幹 3.縦隔部大血管周囲の感染のための創傷治癒
大浦 紀彦
1
,
中山 大輔
1
,
多久嶋 亮彦
1
1杏林大学医学部形成外科
pp.S159-S163
発行日 2024年6月30日
Published Date 2024/6/30
DOI https://doi.org/10.18916/keisei.2024130037
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はじめに
縦隔部大血管の疾患は形成外科が単独で治療をすることはほとんどなく,心臓血管外科や胸部外科による胸骨正中切開後の胸骨骨髄炎・縦隔炎(osteomyelitis of mediastinum, sternal osteomyelitis, sternal wound infection, mediastinitis)に対して,形成外科が治療を行うことが多い。胸骨骨髄炎・縦隔炎には気道・食道や頭頸部領域から感染が波及する降下性壊死性縦隔炎(descending necrotizing mediastinitis:DNM)もあるが,紙幅の都合上,胸骨正中切開後の胸骨骨髄炎・縦隔洞炎(以下,胸骨骨髄炎)に限定し,表層の骨髄炎の鑑別診断も含めた縦隔部大血管周囲の感染に対する創傷治癒について概説する。
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