公益社団法人日本麻酔科学会第69回学術集会講演特集号 学術委員会:学会賞記念講演
Recruitment maneuverによる血行動態変化率は分離肺換気下における輸液反応性の指標として有効である
木村 文
1
,
末廣 浩一
,
重里 尚
,
藤本 陽平
,
吉田 寿子
,
田中 克明
,
森 隆
,
西川 精宣
1大阪公立大学 大学院医学研究科麻酔科学
キーワード:
一回拍出量
,
術中管理
,
食道切除
,
肺切除
,
輸液療法
,
ROC曲線
,
ビデオ下胸腔鏡手術
,
分離肺換気
,
動脈圧
Keyword:
ROC Curve
,
Stroke Volume
,
Esophagectomy
,
Intraoperative Care
,
Pneumonectomy
,
Arterial Pressure
,
One-Lung Ventilation
,
Thoracic Surgery, Video-Assisted
pp.S171-S178
発行日 2022年11月20日
Published Date 2022/11/20
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2023041963
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Recruitment maneuver(RM)による1回心拍出量(SV)変化量および平均動脈圧(MAP)変化量が一側肺換気(OLV)中における輸液反応性の指標として有用であるかどうか検討した。ビデオ支援胸腔鏡手術による食道切除術または肺切除術のためにOLVを行う症例30例を対象とした。ΔSV RMはSV-responderの方がSV-non-responderより有意に大きく、ΔMAP RMはBP-non-responderに比べてBP-responderで有意に高値であった。SV-responderを判別するΔSV RMのAUCは0.84であり、1回拍出量変動(SVV)と脈圧変動(PPV)はともに輸液反応性を有効に予測できなかった。SV-responderのカットオフ値は-23.7%、感度は76.5%、特異度は84.6%であった。BP-responderについては、ΔMAP RMのAUCは0.80であり、SVVとPPVはともに輸液反応性を予測できなかった。ΔMAP RMのカットオフ値は-17.3%、感度は75.0%、特異度は77.8%であった。RMによるSVとBPの変化率は輸液負荷後のSVの増加を予測することができた。従来から輸液反応性の予測に用いられてきたSVVとPPVの予測能力は低いことが示された。
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