公益社団法人日本麻酔科学会第69回学術集会講演特集号 学術委員会:学会賞記念講演
大脳皮質体性感覚野における疼痛で誘発される局所神経回路の活動制御は急性疼痛に対する新たな治療標的になりうる
岡田 卓也
1
,
野村 有紀
,
小幡 典彦
,
加藤 大輔
,
和氣 弘明
,
溝渕 知司
1神戸大学医学部附属病院 麻酔科
キーワード:
疾患モデル(動物)
,
神経経路
,
生体刺激
,
体性感覚皮質
,
ニューロン
,
痛覚閾値
,
C57BLマウス
,
N-Type Calcium Channels
,
高温
,
急性痛
,
疼痛-炎症性
Keyword:
Somatosensory Cortex
,
Pain Threshold
,
Mice, Inbred C57BL
,
Hot Temperature
,
Neural Pathways
,
Neurons
,
Physical Stimulation
,
Disease Models, Animal
,
Acute Pain
,
Calcium Channels, N-Type
pp.S163-S170
発行日 2022年11月20日
Published Date 2022/11/20
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2023041962
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急性疼痛時や疼痛モデルマウス作製前後における大脳皮質第一次体性感覚野(S1)神経細胞の自発活動や各細胞間の活動相関性および機能的結合の経時変化を検証した。6~8週齢の雄性C57BL/6マウスおよび雄性parvalbumin-Creマウスを使用し、疼痛モデルにはcomplete Freund's adjuvantの足底注入による炎症性疼痛モデルを用いた。モデルマウス作成後の疼痛急性期から維持期では、S1神経細胞の自発活動が増加し、各細胞間の活動相関性が増加すること、疼痛の改善(作製後28日)に伴ってそれが元の状態まで低下することが分かった。疼痛急性期のS1神経細胞ではN型カルシウムイオンチャネルの発現が増加しており、拮抗薬の脳室内単回投与および徐放製剤を用いたS1局所慢性投与が疼痛改善に有効であった。
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