発行日 2001年1月1日
Published Date 2001/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2001152950
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神経芽腫硬膜外浸潤により下肢麻痺をきたし,椎弓環納式椎弓形成術および硬膜外腫瘍摘出術を行ったダンベル型神経芽腫を報告した.症例1:5歳男児.MRIにより腫瘍が右椎間孔から浸潤し,硬膜を左方に圧排している像を認めた.麻痺出現の翌日に手術を行った.術後の股関節・膝関節の徒手筋力テストには改善がみられ,術後62日目に独歩可能となった.術後150日目の腰椎MRIでは右硬膜外に腫瘍残存を認めたが,圧迫は解除されていた.症例2:4歳男児.約3年前にマススクリーニング陽性で神経芽腫stage Iと診断され,腫瘍全摘出術を受けた.MRIでL4~S1で腫瘍の脊柱管内浸潤を認めた.麻痺出現の6日後に手術を行った.術後68日目の腰椎MRIでは腫瘍の縮小がみられたが,L5,S1神経根では浸潤が疑われた.術後82日目に短下肢装具着用のもとで歩行可能となったが,両前けい骨筋,長母趾伸筋,腓腹筋の筋力は改善しなかった.術後166日目のCTでは環納椎弓の良好な骨癒合がみられた
©Nankodo Co., Ltd., 2001