投稿論文 短報
術前検査の活性化部分トロンボプラスチン時間延長により抗リン脂質抗体症候群が疑われた1症例
堀口 直美
1
,
堀内 俊孝
,
北口 美輪
,
山村 祐司
,
栗田 直子
,
山口 綾子
,
謝 慶一
,
長畑 敏弘
1ベルランド総合病院 麻酔科
キーワード:
部分トロンボプラスチン時間
,
S状結腸腫瘍
,
下肢
,
術前評価
,
Enoxaparin
,
抗リン脂質抗体症候群
,
静脈血栓症
,
間欠的加圧装置
,
弾性ストッキング
Keyword:
Sigmoid Neoplasms
,
Enoxaparin
,
Antiphospholipid Syndrome
,
Partial Thromboplastin Time
,
Intermittent Pneumatic Compression Devices
,
Lower Extremity
,
Stockings, Compression
,
Venous Thrombosis
pp.599-601
発行日 2021年6月10日
Published Date 2021/6/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021270925
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63歳女性。S状結腸癌に対する腹腔鏡下S状結腸切除術を予定していた。術前の血液凝固検査でAPTTのみ高度延長を認めたため精査を行ったところ、抗カルジオリピン抗体及びループス抗凝固因子陽性で抗リン脂質抗体症候群(APS)を強く疑った。血栓性合併症予防のため、術前よりの弾性ストッキング着用、術中からの間歇的空気圧迫法継続、術後3日目より5日間のエノキサパリンナトリウム投与を行い、術後合併症なく退院となった。後日行った追加検査の結果、抗核抗体陽性、抗二本鎖DNA抗体陽性、補体低下を認め、全身性エリテマトーデス(SLE)を背景とした二次性APSを強く疑った。しかし、血栓症や妊娠合併症の既往歴はなく、SLE、APSの確定診断には至らなかった。現在、外来にてSLE由来の臓器合併症及びAPS由来の血栓症の出現の有無を経過観察中である。
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