投稿論文 短報
高齢で脳梗塞既往のある本態性血小板血症患者に対して術後デキストラン製剤を使用した幽門側胃切除術の麻酔経験
内田 慎也
1
,
福良 治彦
,
家島 仁史
,
高橋 利文
1群馬県立がんセンター 麻酔科
キーワード:
Dextrans
,
Morphine
,
胃腫瘍
,
胃切除
,
血小板血症-本態性
,
術後管理
,
神経ブロック
,
全身麻酔
,
脳梗塞
,
幽門
,
Remifentanil
,
Ropivacaine
,
Sevoflurane
Keyword:
Anesthesia, General
,
Gastrectomy
,
Stomach Neoplasms
,
Thrombocythemia, Essential
,
Morphine
,
Nerve Block
,
Ropivacaine
,
Remifentanil
,
Sevoflurane
,
Pylorus
,
Postoperative Care
,
Dextrans
,
Brain Infarction
pp.410-412
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021212663
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症例は83歳女性で、55歳で本態性血小板血症と診断され、73歳で脳梗塞を発症していたが、現在は麻痺などの残存はなかった。1ヵ月前に検診目的での胃内視鏡検査で異常を指摘され、精査により胃癌と診断され、腹腔鏡下幽門側胃切除、Roux-en-Y再建術が予定された。麻酔は全身麻酔+末梢神経ブロック(両側腹横筋膜面ブロック+両側腹直筋鞘ブロック)+モルヒネ塩酸塩持続皮下注で管理予定とした。麻酔導入はレミフェンタニル2μg/kg/min静注、プロポフォール80mg、ロクロニウム40mgで行い、麻酔導入後に0.375%ロピバカイン40mlを投与し、末梢神経ブロックおよびモルヒネ塩酸塩0.8mg/hrで持続皮下注を施行した。術中は空気2L/min、酸素1L/min、セボフルラン1.2%投与下にレミフェンタニル0.5~2μg/kg/minとロクロニウム7μg/kg/minの持続静注により麻酔を維持した。抜管後に麻酔後回復室へ入室し、術後血栓症予防のために低分子デキストラン製剤を50ml/hrで開始した。持続点滴は術後1日目まで使用し、術後1日目の血小板数は104.1万/μLであった。
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