投稿論文 原著
ビーチチェア体位での関節鏡下肩手術における脳酸素飽和度の変化 空間分解分光法を用いた前向き観察研究
糸洲 佑介
1
,
原田 聡子
,
田中 暢洋
,
加藤 亮子
,
森本 裕二
1北海道大学病院 麻酔科
キーワード:
肩関節
,
関節鏡法
,
Hemoglobins
,
酸素飽和度測定
,
術中モニタリング
,
スペクトル分析(分光法)
,
脳虚血
,
脳循環
,
分散分析
,
前向き研究
,
手術時体位
Keyword:
Arthroscopy
,
Analysis of Variance
,
Spectrum Analysis
,
Shoulder Joint
,
Monitoring, Intraoperative
,
Hemoglobins
,
Oximetry
,
Prospective Studies
,
Cerebrovascular Circulation
,
Brain Ischemia
pp.367-373
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021194614
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ビーチチェア体位による関節鏡下肩手術時の脳酸素飽和度への影響を、測定原理として空間分解分光法を用いたNIRO-200NX(浜松ホトニクス、浜松市)を使用して測定した。組織酸素化指標(TOI)は、ビーチチェア体位に変換することにより5%程度低下したが、過去に報告されている、測定原理としてmodified Beer-Lambert法を用いた機種による脳酸素飽和度ほど著明な低下を示さなかった。一方、脳内ヘモグロビン濃度変化では、ビーチチェア体位中、酸素化ヘモグロビンと総ヘモグロビン濃度の有意な低下を認め、いわゆる脳虚血パターンを示した。以上から、ビーチチェア体位中の血圧や生理学的指標の適正管理は、脳循環維持のために重要と考えられた。
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