投稿論文 総説
周術期のアレルギー性急性冠症候群
木倉 睦人
1
1労働者健康安全機構浜松労災病院 麻酔科
キーワード:
アナフィラキシー
,
アレルギー
,
呼吸器徴候と症状
,
心筋梗塞
,
皮膚症状
,
過敏症-薬物
,
急性冠動脈症候群
Keyword:
Anaphylaxis
,
Skin Manifestations
,
Signs and Symptoms, Respiratory
,
Myocardial Infarction
,
Hypersensitivity
,
Drug Hypersensitivity
,
Acute Coronary Syndrome
pp.361-366
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021194613
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周術期のアレルギー性急性冠症候群はまれな疾患であるが、心原性ショックや致死的不整脈の原因となる。主に薬物が抗原となり、冠動脈の肥満細胞がヒスタミンを放出し、冠動脈が強く攣縮する。冠疾患がない症例が70%を占め、40-70歳の男性に多く、アナフィラキシーショックは90%に併発し、心筋梗塞は20%に合併する。皮膚・呼吸器症状は60%に満たない。死亡率は、冠攣縮のみでは0%、アナフィラキシーショックを伴うと3.8%、心停止では7.1%と、重症化に伴い上昇する。投薬直後の急激なST変化と低血圧が特徴で、迅速な臨床診断と冠血管拡張薬、抗ヒスタミン薬、ステロイドの投与、アナフィラキシーや急性冠症候群の治療が必要となる。
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