投稿論文 短報
甲状腺腫瘍によって高度声門下気道狭窄を来した患者に対して体外循環を使用せずに麻酔管理を行った1症例
神山 圭
1
,
伊藤 裕之
,
北條 亜樹子
,
遠山 悟史
,
槇田 浩史
,
内田 篤治郎
1東京医科歯科大学医学部附属病院 蘇生ペインクリニック科
キーワード:
Propofol
,
気管支鏡法
,
吸入麻酔
,
甲状腺腫瘍
,
甲状腺切除
,
喉頭狭窄
,
静脈麻酔
,
Remifentanil
,
Sevoflurane
,
胸部CT
,
フローボリューム曲線
Keyword:
Anesthesia, Inhalation
,
Anesthesia, Intravenous
,
Laryngostenosis
,
Propofol
,
Thyroid Neoplasms
,
Thyroidectomy
,
Remifentanil
,
Sevoflurane
,
Bronchoscopy
pp.397-402
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2020228420
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症例は84歳女性で、画像検査にて後縦隔に伸展する左甲状腺腫瘍(10cm大)と、声門下に約75%の高度気道狭窄(最狭部内径3.2mm)を認めた。呼吸機能検査では閉塞性換気障害を認め、呼気相におけるフローボリューム曲線上でも特徴的な上気道閉塞パターンを示したが、心肺合併症はなく、日常生活動作での呼吸困難感や体位による気道閉塞症状の増悪は認めなかった。FEV1.0/PEF比は9.75で、気道狭窄は可逆的と考えられ、筋弛緩薬は投与せず、細径のらせん入り気管チューブを用いた自発呼吸温存下の気管挿管を計画した。全身麻酔導入後に換気不能・挿管不能に陥り、体外式膜型人工肺導入が必要となる場合も想定して準備を行ったが、フェンタニル併用下にセボフルラン濃度を増加させることで咳反射を誘発することなく気管挿管が可能となり、術中は換気量低下や気道内圧上昇を認めることなく麻酔管理を行うことができた。
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