投稿論文 短報
胸部外傷の止血術中に肺水腫と異型血小板輸血による血圧低下を併発した1症例
岡 里紗
1
,
芝 順太郎
,
平 幸輝
,
竹内 護
1自治医科大学 麻酔科学・集中治療医学講座
キーワード:
Epinephrine
,
胸部X線診断
,
胸部外傷
,
血液型不適合
,
外科的止血
,
術中合併症
,
低血圧
,
肺水腫
,
肺切除
,
血小板輸血
,
胸部CT
Keyword:
Epinephrine
,
Platelet Transfusion
,
Hemostasis, Surgical
,
Hypotension
,
Intraoperative Complications
,
Thoracic Injuries
,
Radiography, Thoracic
,
Pneumonectomy
,
Pulmonary Edema
,
Blood Group Incompatibility
pp.403-405
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2020228421
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症例は72歳男性、血液型はB型であった。転落により胸部を強打し、多発肋骨骨折、血気胸の診断で入院したが、血胸により呼吸状態が悪化したため転院搬送された。胸部造影コンピュータ断層撮影では大量血胸と右肺下葉からの造影剤の血管外漏出を認め、直ちに開胸肺切除および止血術を行ったが、同型の血小板製剤が入手困難であったため、O型血小板輸血製剤を投与したところ、異常低血圧をきたした。異常低血圧はノルアドレナリンに治療抵抗性で、アドレナリン投与を要したことから、異型血小板輸血のアレルギー反応によるものと考えられた。また、手術終了後に気管チューブからピンク色の泡沫痰が多量に吸引され、肺動脈圧高値より前負荷の過剰による非心原性の肺水腫と考えられたが、原因の確定には至らなかった。フロセミドを投与し、術後11日目に抜管となった。
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