投稿論文 短報
術野でのアドレナリン含有局所麻酔薬の注射を契機に発症したと思われるたこつぼ型心筋症の1症例
黒田 皓二郎
1
,
中布 龍一
,
佐倉 舞
,
権 理奈
,
瀬浪 正樹
1JA広島厚生連尾道総合病院 麻酔科
キーワード:
局所麻酔
,
心電図
,
全身麻酔
,
鼻腔内投与
,
心筋症-たこつぼ型
,
Lidocaine-Epinephrine
Keyword:
Anesthesia, Conduction
,
Anesthesia, General
,
Administration, Intranasal
,
Electrocardiography
,
Takotsubo Cardiomyopathy
pp.75-78
発行日 2020年1月10日
Published Date 2020/1/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2020135389
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
51歳男。睡眠時無呼吸症候群に対し、全身麻酔下での内視鏡下副鼻腔手術が予定された。術前検査所見では心機能障害を示唆する所見はなかったが、アドレナリン含有局所麻酔薬注射後に急激な血圧上昇と頻脈性不整脈を呈し、退室前にT波の平坦化とQT時間の延長を認めた。また、術後に血圧低下と労作時呼吸困難を発症し、心電図で広範なT波の陰性化がみられ、心エコー検査では左室中部から心尖部の壁運動低下を認めたが、緊急冠動脈造影で有意狭窄は認めなかった。たこつぼ型心筋症と診断して経過観察し、術後6日目には左室壁運動異常が正常化したことから、たこつぼ心筋症発症の契機としてアドレナリン(0.42μg・kg-1)の投与が考えられた。
Copyright© 2020 KOKUSEIDO CO., LTD. All Rights Reserved.