投稿論文 短報
2度のアナフィラキシーショックにおいて、いずれも皮膚粘膜症状が明らかでなかった1症例
片岡 里紗
1
,
杉本 健三郎
,
丹羽 康則
,
原 鉄人
,
竹内 護
1自治医科大学 麻酔科学・集中治療医学講座
キーワード:
アナフィラキシー
,
Cefazolin
,
Ephedrine
,
Epinephrine
,
再発
,
喘息
,
皮膚症状
,
皮膚テスト
,
過敏症-薬物
,
Procaterol
,
循環血液量減少
Keyword:
Asthma
,
Anaphylaxis
,
Epinephrine
,
Ephedrine
,
Skin Manifestations
,
Skin Tests
,
Procaterol
,
Recurrence
,
Drug Hypersensitivity
,
Cefazolin
,
Hypovolemia
pp.72-74
発行日 2020年1月10日
Published Date 2020/1/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2020135388
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77歳男。生体腎移植術中、セファゾリン投与の10分後に換気困難となり、収縮期血圧が30mmHg台に低下した。約1年半前に行われた副甲状腺摘出術の際にもセファゾリン投与の10分後に突然換気困難となり、収縮期血圧が30mmHg台に低下したが、皮膚粘膜症状は認めず、気管支喘息発作として加療された経緯があった。前回と同様に皮膚粘膜症状は認めず、循環血液量不足ないし重度の喘息発作と判断したが、アドレナリンが著効したことからアナフィラキシーショックが疑われた。後日行われたプリックテスト、好塩基球刺激試験はともにセファゾリンに陽性であり、本症例は2回とも高度の循環虚脱による皮膚血管収縮のために皮膚症状が明確でなかったと考えられた。
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