発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015206400
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74歳女。頭部外傷で救急搬送された。左急性硬膜下血腫、脳挫傷と診断し、緊急手術を施行した。術後、バルプロ酸の内服を開始し、リハビリテーション目的に転院した。ADLはほぼ自立していたが、喚語困難がみられた。自宅退院後も変わりなく日常生活を送っていたが、突然同じことを何度も繰り返し話し、人の言うことに理解を示さなくなる症状が数分~数時間みられるようになった。自宅でうつぶせに倒れているのを発見された。呼びかけに反応せず、右上肢の痙攣がみられ救急搬送された。外傷性脳挫傷、硬膜下血腫に伴う非痙攣性てんかん重積状態と考えた。局在性の脳波異常を呈し、左側頭葉由来の部分てんかん重積状態と判断した。上下肢をびくつかせるような痙攣で緊急搬送された。心エコーにより、たこつぼ心筋症と診断した。心機能は自然軽快し、意識状態も徐々に改善したが、失語症状が持続した。レベチラセタムにより失語症状は改善し、退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2015