投稿論文 症例
上顎腫瘍切除再建後の皮弁下垂による変形に対し翻転脂肪弁と鼻唇溝皮弁との連合皮弁を用いて修正を行った1例
坂田 憲亮
1
,
右田 尚
,
清川 兼輔
1祐愛会織田病院
キーワード:
術後合併症
,
上顎疾患
,
X線CT
,
肉芽腫
,
皮膚疾患-顔面
,
頬
,
鼻唇溝
,
穿通枝皮弁
,
上顎再建術
Keyword:
Facial Dermatoses
,
Granuloma
,
Maxillary Diseases
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Postoperative Complications
,
Cheek
,
Perforator Flap
,
Nasolabial Fold
pp.474-479
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021212515
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66歳女性。右頬部の凹凸変形(頭側半分の陥凹、尾側半分の突出)を主訴とした。40歳時に前医での右上顎腫瘍切除術後に右頬部に陥凹変形が生じ、49歳時に顔面動脈を移植床血管として、脱上皮した深下腹壁動脈穿通枝皮弁(DIEP flap)による頬部の再建術が行われた。66歳時にDIEP flapが下垂し、右頬部全体に凹凸変形が生じ、当科を受診した。頬部変形に対し手術を施行した。手術では移植された皮弁の下垂によって突出した右頬部下方の皮下組織を、脂肪弁として頭側の陥凹変形部に翻転させることで、頬部全体の凹凸変形を修正することとした。その際、翻転脂肪弁の血流を良くする為に、茎の幅を広く取る様にした。さらに、その脂肪弁への血流付加と組織量の増加を目的として、眼動脈からの血管系を含む上方茎の鼻唇溝皮弁を脂肪弁の側面に広く連続させ、連合皮弁とした。連合皮弁を用いて凹凸変形を修正した。術後経過は良好である。
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