投稿論文 症例
多発神経鞘腫の1例
小笹 俊彦
1
,
宇佐美 泰徳
,
坂田 晃子
1日立製作所日立総合病院 形成外科
キーワード:
MRI
,
尺骨神経
,
神経系腫瘍
,
神経鞘腫
,
術前評価
,
正中神経
,
指神経(手)
Keyword:
Magnetic Resonance Imaging
,
Median Nerve
,
Ulnar Nerve
,
Neurilemmoma
,
Nervous System Neoplasms
pp.1180-1184
発行日 2020年9月10日
Published Date 2020/9/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021002356
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31歳男。左手腫瘤を主訴とした。2008年と2013年に左手掌尺側の神経鞘腫摘出の既往があり、受診時には左手関節部に2個、左手関節~環指MP関節、小指にかけて、弾性硬で圧痛や末梢への放散痛を伴う複数の腫瘤を触知したが、知覚、運動障害は認めず、神経線維腫症の関与を疑う身体所見や家族歴もなかった。画像所見、臨床像より多発神経鞘腫として腫瘍摘出術を行ったところ、正中神経本幹より2つ、尺骨神経浅枝から掌側指神経にかけて7つの腫瘍が発生しており、腫瘍同士、下床との癒着もみられたが、大部分は境界明瞭で手術手技による健常神経束の損傷なく腫瘍を摘出できた。病理診断は神経鞘腫であり、術後は新たな神経症状の発生を認めることなく症状は改善し、現在まで再発はない。
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