投稿論文 症例
カスタムメイド人工骨を用いた上顎洞癌術後二次再建を行った3例
大島 秀男
1
,
束野 哲志
,
上木原 達哉
,
前山 徹
1国立病院機構熊本医療センター 形成外科
キーワード:
横紋筋肉腫
,
術後管理
,
上顎洞腫瘍
,
X線CT
,
扁平上皮癌
,
骨代用物
,
三次元イメージング
,
上顎骨切り術
,
顔面輪郭形成術
Keyword:
Rhabdomyosarcoma
,
Maxillary Sinus Neoplasms
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Postoperative Care
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Bone Substitutes
,
Maxillary Osteotomy
,
Imaging, Three-Dimensional
pp.1043-1054
発行日 2020年8月10日
Published Date 2020/8/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2020373443
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上顎洞癌術後に顔面変形をきたした3例(26歳女、75歳女、64歳男)に対し、二次的にカスタムメイド人工骨による硬性再建を行った。頬骨上顎骨は全例欠損して頬部の陥没、下眼瞼外反や斜鼻などの変形を認め、頬骨上顎支柱の再建が必要と考えられた。術中での操作性に優れ、患者への負担が小さいと考え得るハイドロキシアパタイト製のセラミックで作製したカスタムメイド人工骨を骨欠損部に補填し固定した結果、機能や形態は改善し、人工骨周囲の死腔や合併症は認めていない。カスタムメイド人工骨による上顎二次再建ではCT画像からミラーイメージで欠損した上顎骨を再現でき、顔面輪郭の再現と共に皮膚軟部組織の下垂予防も可能である。また、遊離皮弁などによる確実な人工骨被覆が必要であるが、移植組織の位置決めは骨皮弁移植より容易で形態再現に優れており、カスタムメイド人工骨による硬性再建は上顎二次再建の選択肢になりうると考えられた。
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