投稿論文 原著
遊離角部肩甲骨弁・広背筋連合皮弁による上顎即時再建
景山 大輔
1
,
去川 俊二
,
佐藤 弘樹
,
盧 率智
,
横川 秀樹
,
中塚 貴志
1埼玉医科大学国際医療センター 形成外科
キーワード:
肩甲骨
,
上顎洞腫瘍
,
術前評価
,
扁平上皮癌
,
解剖模型
,
筋皮弁
,
広背筋
,
骨皮弁
,
血管柄付き骨移植
,
上顎再建術
Keyword:
Scapula
,
Maxillary Sinus Neoplasms
,
Models, Anatomic
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Superficial Back Muscles
,
Myocutaneous Flap
pp.834-842
発行日 2021年7月10日
Published Date 2021/7/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021304978
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上顎癌切除後の整容的再建として、眼球温存上顎全摘出術後に3Dプリンターによる術前シミュレーションと角枝(angular branch)を用いた肩甲骨弁による一次再建を行った結果を報告した。2019年3~9月の6ヵ月間で、眼球温存の上顎全摘出が行われた3例に対し、本法を用いた一次再建を施行した。性別は男性2例、女性1例で、年齢は65~82歳(平均72歳)、観察期間は10ヵ月~1年3ヵ月(平均1年1ヵ月)であった。手術時間は6時間23分~9時間41分(平均7時間34分)で、出血量は518~820mL(平均671mL)であった。3例とも鼻腔と口蓋を皮弁で再建し、口蓋は完全に閉鎖した。3例全例で周術期合併症は生じておらず、肩甲骨採取による日常生活動作への支障も認められなかった。二次修正として、1例で下眼瞼への耳介軟骨移植を、ほかの1例で鼻唇溝形成を行ったが、いずれの症例でも顔面の輪郭形態については初回手術のみで満足のいく結果が得られた。また、全例で上顎義歯の装着が可能で、現在も再発もなく経過している。
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