投稿論文 症例
ラップ療法により重症褥瘡感染を来たした2例
國枝 桜子
1
,
南方 竜也
,
覚道 奈津子
,
楠本 健司
1大阪府済生会野江病院 形成外科
キーワード:
股関節部
,
褥瘡性潰瘍
,
洗浄療法
,
仙尾骨部
,
デブリードマン
,
X線CT
,
密封包帯
,
致死的転帰
,
病勢悪化
,
Meropenem
,
陰圧閉鎖療法
Keyword:
Sacrococcygeal Region
,
Fatal Outcome
,
Therapeutic Irrigation
,
Hip
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Occlusive Dressings
,
Meropenem
,
Pressure Ulcer
,
Debridement
,
Disease Progression
,
Negative-Pressure Wound Therapy
pp.1055-1062
発行日 2020年8月10日
Published Date 2020/8/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2020373444
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症例1は85歳女性で、仙骨部褥瘡からの悪臭を伴う滲出液の増多、意識レベル低下を主訴とした。高齢者施設の入所者で、数ヵ月前より仙骨部に褥瘡が発生し、施設の看護師主体でラップ療法が行われていたが、重篤な感染症に至るまで放置されていた。症例2は99歳女性で、意識レベル低下、ショックを主訴とした。両大転子に褥瘡があり、約8ヵ月前に発赤が出現し、約7ヵ月前より潰瘍となったため、医療従事者ではない家人が訪問看護サービス利用時の処置を見よう見まねでラップ療法を継続していた。2例とも褥瘡が重症化してから治療介入となったが、適切なデブリードマンと抗生物質治療によって感染をコントロールし、局所陰圧閉鎖療法や外科的治療を組み合わせることで瘡治癒に至った。
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