展望
いま乳児血管腫をどのように捉えるべきか プロプラノロール内服療法が導入されるにあたって
倉持 朗
1
1埼玉医科大学 皮膚科学教室
キーワード:
Propranolol
,
血管腫
,
腫瘍退行-自然
,
経口投与
,
皮膚腫瘍
,
Glucose Transporter Type 1
Keyword:
Administration, Oral
,
Hemangioma
,
Neoplasm Regression, Spontaneous
,
Propranolol
,
Skin Neoplasms
,
Glucose Transporter Type 1
pp.444-453
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016254632
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
乳児血管腫は退縮傾向を有する腫瘍として代表的なものであるが,その疾患の本態に関する解釈には大きな変遷があった.プロプラノロールが乳児血管腫に対し奏効する,という発見が偶然なされたことは, さらに(プロプラノロールの奏効機序の研究を介して)乳児血管腫のpathogenesisに関する考え方をも刷新させることとなった.ただしプロプラノロールの乳幼児における中枢神経系への影響という重要な問題点も近年明らかになり,本剤もまた,慎重に治療上のリスク・ベネフィットが検討されたのちに,投与されるべき薬剤であることがわかってきた.本稿では,(2016年中には承認されるであろう)プロプラノロール内服治療が始まるにあたり,現時点で乳児血管腫をどのように捉えるべきか,要点を短く述べさせていただきたい.(「はじめに」より)
Copyright© 2016 KYOWA KIKAKU Ltd. all rights reserved.