特集 とっつきにくかった周産期病理をあらためて学ぶ―診断から説明までを徹底整理
各論
4.癒着胎盤スペクトラム(PAS)の病理診断―近年のパラダイムシフト―
南口 早智子
1
S. Minamiguchi
1
1藤田医科大学医学部病理診断学講座(教授)
pp.657-662
発行日 2026年7月1日
Published Date 2026/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003880
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癒着胎盤スペクトラム(PAS)は,帝王切開既往や生殖補助医療(ART)の増加に伴い,発症頻度が増加しており,胎盤病理診断においても重要な疾患の1つである。本稿では,国際産科婦人科連合(FIGO)1)およびSociety of Pediatric Pathology(SPP)診断基準2)に基づき,PASの病理学的定義と標準化されたグレード分類を詳述する。かつての胎盤の子宮筋層への浸潤の程度のみで決定されてきた3分類(accreta, increta, percreta)3)から,予後予測に直結する記述的グレード診断への移行が提言されており,特に統一的見解がなかった全摘標本における浸潤判定と,剝離胎盤のみで認められる基底板付着筋線維(BPMF)がポイントである2)4)。PASと帝王切開瘢痕部離開(USD)との鑑別とその意義を提示し,臨床相関の視点から病理診断に必要な事項を述べる2)。

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