症例
異所性妊娠に対する卵管切除術後に同側に発症した卵巣妊娠の1例
宮下 幸一
1
,
鷲尾 佳一
1
,
辻本 晶紀
1
,
園田 あゆみ
1
,
前田 美亜
1
,
西野 由香里
1
,
西島 光浩
1
K. Miyashita
1
,
K. Washio
1
,
A. Tsujimoto
1
,
A. Sonoda
1
,
M. Maeda
1
,
Y. Nishino
1
,
M. Nishijima
1
1兵庫県立淡路医療センター産婦人科
pp.1037-1041
発行日 2025年10月1日
Published Date 2025/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003548
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
35歳,3妊2産。5年前に右卵管妊娠に対して腹腔鏡下右卵管切除術の既往がある。下腹部痛のため当院を受診した。尿中妊娠反応は陽性であった。診察では子宮内に胎囊は認めず,左付属器領域に黄体を疑う単房性腫瘤を認めたのみで,ほかに特記すべき所見はみられなかった。以後10日間の経時的フォローにて血中hCGは緩慢な上昇傾向を示し,右付属器領域に新たな腫瘤が出現したため,卵巣妊娠を疑い審査腹腔鏡を実施し確定診断に至った。卵管切除術後でも同側に卵巣妊娠を発症することはある。また,注意深い経時的観察によって,より適切な術前評価のもとで手術を施行できる可能性があると考えられた。

Copyright © 2025, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.

