特集 子宮頸がん予防の最前線
2.有効性評価に基づくHPV検査単独法
中山 富雄
1
T. Nakayama
1
1国立がん研究センターがん対策研究所検診研究部(特任部長)
pp.953-957
発行日 2025年10月1日
Published Date 2025/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003534
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『有効性評価に基づく子宮頸がん検診ガイドライン2019年版』で,ヒトパピローマウイルス(HPV)検査を用いた検診の推奨をまとめた。浸潤がん罹患率減少においてHPV検査単独法と併用法を併せても細胞診を上回るという強い証拠は得られなかった。子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)2+を指標とした場合,併用法は感度が最も高かったが,逆に特異度は最も低く偽陽性の増加が問題となった。このため検診として細胞診とHPV検査単独法は推奨Aとして実施を推奨したが,併用法は推奨Cとして実施を推奨しなかった。HPV検査単独法は検診間隔を5年に拡大できるというメリットを有したが,HPV陽性・細胞診NILMの将来のCIN 3+発症を正しく診断するための長期にわたる経過観察の体制整備が必要であることが示された。

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