特集 産婦人科の未来予想図―これから必要な技術,資格について
各論
5.生殖医療の先端技術:子宮移植
角田 安優
1
,
木須 伊織
1
A. Tsunoda
1
,
I. Kisu
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.889-896
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003512
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近年の生殖補助技術の発展は目覚ましく,悪性腫瘍の治療においても妊孕性温存療法が脚光を浴びて久しい。しかしながら,先天的に子宮をもたない,もしくは後天的に子宮を摘出した子宮性不妊女性が自ら妊娠,出産することはこれまで不可能であった。これらの子宮性不妊女性が児を得るには代理懐胎や養子制度などの選択肢が残されるが,代理懐胎に関しては多くの倫理的・社会的・法学的問題点を抱えている。このような背景のなか,近年,子宮性不妊女性の妊娠・出産を可能にする新たな技術として,「子宮移植」が大きな注目を集めている。本稿では,未来の新しい先端技術の可能性を秘めた子宮移植の現状と課題について概説する。

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