症例
多量の子宮留膿症による菌血症により体動困難となった76歳女性に抗菌薬投与と経腟的ドレナージのみで治療し,再発なく治療しえた1例
堤 俊太
1,2
,
清水 幸子
3
,
亀田 省吾
3
S. Tsutsumi
1,2
,
Y. Shimizu
3
,
S. Kameda
3
1安房地域医療センター総合診療科
2亀田総合病院救命救急科
3安房地域医療センター産婦人科
pp.816-821
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003490
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76歳女性の子宮留膿症による菌血症となった1例を報告する。子宮留膿症は比較的予後は良好とされるが,重篤化すると死亡率が高い。今回,腹部症状を伴わないものの菌血症に至った症例において,早期の経腟的ドレナージと抗菌薬による治療のみで日常生活動作の低下なく自宅退院した。本症例のように婦人科疾患を疑う症状なく,一般内科での対応されることも多い。非特異的な症状でも高齢女性において子宮留膿症を鑑別に入れる重要性と,高齢女性への非侵襲的な処置のみでの治療経過を報告する。

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