臨床経験
当院における胚移植方法別による周産期合併症と児の先天異常の発生率
小山 伸夫
1
,
上田 真理奈
1
,
中村 千夏
1
,
徳永 友理恵
1
,
池田 早希
1
,
畑野 理加
1
,
白石 真璃菜
1
,
木下 和雄
1
,
三好 潤也
1
N. Koyama
1
,
M. Ueda
1
,
C. Nakamura
1
,
Y. Tokunaga
1
,
S. Ikeda
1
,
R. Hatano
1
,
M. Shiraishi
1
,
K. Kinoshita
1
,
J. Miyoshi
1
1ART女性クリニック
pp.957-962
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003087
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体外受精が開発されてからほぼ半世紀になるが,体外受精による周産期合併症,児の先天異常の発生率,機序についてまだ解明されていないことが多い。当院ではこれまでホルモン補充周期で凍結融解胚移植することが多かった。しかし,最近凍結融解胚移植,特にホルモン補充周期による凍結融解胚移植では妊娠高血圧症候群,癒着胎盤などの周産期合併症の発生率が高いとの報告がある。そこで,当院における胚移植方法の相違による周産期合併症,児の先天異常の発生率を比較検討した。その結果,凍結融解胚移植は,新鮮胚移植より妊娠高血圧症候群の発生率は高い傾向があった。またホルモン補充周期による凍結融解移植は,新鮮胚移植,自然周期の凍結融解胚移植より癒着胎盤の発生率が高い傾向があり,新鮮胚移植より有意に帝王切開率が高かった。しかし,各群間で先天異常の発生率に差はなかった。
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