Japanese
English
研究 臍帯血管異常
臍帯血管異常の1例ならびに臍帯血管に関する研究
A case of abnormal umbilical vessels, with special reference to the studies on umbilical vessels
鈴村 正勝
1
,
市橋 進
2
,
佐治 正敬
1
Masakatsu Suzumura
1
,
Susumu Ichihashi
2
,
Masayoshi Saji
1
1日本医科大学附属第1病院産婦人科教室
2東急病院産婦人科
pp.769-772
発行日 1964年10月10日
Published Date 1964/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203137
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
われわれは臍帯動脈の一方欠除した症例に遭遇したのでここに報告する。
臍帯は,衆知のごとく表面は羊膜鞘(Amnionscheide)を以て被われ,その内部にWharton氏膠様質を有し,その中心部に壁の厚い2本の臍帯動脈と壁が薄くて口径の大きい1本の臍帯静脈とを含む。臍帯動脈は胎児内腸骨(下腹)動脈の連続であって胎児の静脈血を胎盤に送り,臍帯静脈は新鮮な動脈血を胎盤から胎児に導く(第1図)1)。われわれの症例はこの2木の臍帯動脈の一方が肉眼的にはもちろんのこと組織学的にもレ線的にも,また別に発表の予定であるが臍帯合成樹脂鋳型を作製してもその根跡を認めず完全に欠除していた。
Copyright © 1964, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.