特集 世界の潮流についていこう! 婦人科がん診療2024
Ⅱ.子宮体癌
5.子宮体癌のフォローアップに関する最近のエビデンス
渡邊 佑子
1
,
上田 豊
1
Y. Watanabe
1
,
Y. Ueda
1
1大阪大学大学院医学系研究科産科婦人科学
pp.357-362
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002920
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わが国における子宮体癌の治療後のフォローアップは,内診,腟断端細胞診,経腟超音波検査,腫瘍マーカー測定,胸部X線検査,CTなどの画像検査を組み合わせて行うことが一般的であるが,そのエビデンスは十分とはいえない。2022年,子宮体癌の術後フォローアップに関する世界初の前向き試験(TOTEM試験)の結果が報告された。画像検査や血液検査を含む集中的なフォローアップは,婦人科診察を主とした最小限のフォローアップと比較してOSを改善せず,これは再発高リスク群においても同様であった。これまで蓄積されてきた後方視的な研究結果を支持する結果となった。わが国においては,術後治療が海外とは必ずしも同一でなく,再発形式に違いがあることには留意する必要があるが,慎重な婦人科診察や丁寧な問診,患者教育の重要性への理解が今後わが国における課題と考えられる。
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