ウイメンズヘルス
子宮体癌
加藤 友康
1
1国立がん研究センター中央病院婦人腫瘍科科長
pp.55-59
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.02.01_0055-0059
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「基礎知識」「1.疫学」本邦の子宮体癌患者数は近年増加の一途をたどり(図1)1),今や婦人科癌のなかでは最も多い癌となった。2013年に新規登録された患者数は子宮体癌が8,952,子宮頸癌が7,280,卵巣癌が7,695であった2)。ちなみに米国の2015年の発生数はSEERによると,子宮体癌が54,870と推計され,卵巣癌(21,290),子宮頸癌(12,900)に比べ圧倒的に多い3)。子宮体癌のリスクに高脂肪食が挙げられ,その代表格である米国での統計結果をみると,子宮体癌は今後も増加していくことが容易に予想される。子宮体癌の発症は図1-Aのように40歳代前半から増加し,50歳代にピークを迎える。2011年の罹患率で乳癌を比べると,そのピークは5歳ほど遅い。「2.子宮体癌のタイプ」子宮体癌には,大きく分けて2種類のタイプがある(表1)。Type1は前癌病変である子宮内膜増殖症を経て癌に進展するので,分化度の高い癌が多い。Type2は萎縮した内膜に発生する分化度の低い癌で,高齢者に多くみられる。
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