特集 帝王切開のネガティブ・インパクトの克服と新たな取り組み
II.ネガティブ・インパクトの回避に向けた取り組み
5.帝王切開とメンタルケア
-―すべてのカップルに対する帝王切開分娩の情報提供―
横手 直美
1
N. Yokote
1
1中部大学大学院生命健康科学研究科看護学専攻
pp.257-262
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002892
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帝王切開分娩は,妊産婦だけでなく夫にも心理的なネガティブ・インパクトを与えうる。特に緊急帝王切開は,トラウマ体験となったり,産後うつの要因ともなる可能性があり,注意を要することから,出産前準備教育ですべてのカップルに帝切に関する包括的な情報提供を行うことが望まれる。筆者が開発した教材を使用した介入研究では,介入群は実際に緊急帝切で出産後,産褥5日目,1カ月ともに,対照群よりも産後うつのリスク(EPDS)が有意に低かった。すべてのカップルが帝切が必要となるケースや流れを理解し,もう1つのバースプランを準備しておくことで,緊急事態にも適応でき,ネガティブ・インパクトの低減だけでなく,出産満足度を高めることが期待される。
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