特集 動画で理解する婦人科悪性腫瘍手術の外科解剖―腔の展開と切断ラインの決定―
9.子宮頸部周囲の腔と血管神経解剖について-2
関山 健太郎
1
,
藤井 信吾
2
K. Sekiyama
1
,
S. Fujii
2
1公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院産婦人科
2社会医療法人岡本病院(財団)(理事長)
pp.1487-1491
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002801
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広汎子宮全摘術とは,子宮頸部周囲に手術的に展開できるいくつかの腔を利用して子宮周囲の組織を病変の状態に応じて切断部位を決定する術式である。まず骨盤のリンパ節郭清の操作を先行させると自然に子宮周辺にある疎な結合組織間隙が現れ,その間隙を展開したものを腔と称している。腔の展開によって子宮と他臓器間の支持組織の中に血管や神経の存在を確認することが可能となる。本稿では,腔が展開された後に残る子宮頸部周囲の支持組織内の神経や血管の解剖に焦点を当てて,神経温存広汎子宮全摘術の理解が深まることを期待して解説する。
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