7．カダバーにおける鏡視下手術解剖-2

平成24（2012）年に「臨床医学の教育研究における死体解剖のガイドライン」が定まって以降，医師の手術手技研修を目的とした献体使用が公的に認められ，全国で解剖実習のトレーニング機会が急速に拡大している。婦人科領域において，実際の手術では剖出が難しい内腸骨血管（骨盤外へ向かう上臀・下臀や内陰部血管，もしくは膀胱や直腸に流入する血管），仙骨神経叢，骨盤神経叢，および骨盤壁や骨盤底を形成する筋肉や靭帯構造を鏡視下で展開し，観察する機会を得ることは婦人科腫瘍医にとって極めて有用である。今回，実際の解剖実習動画を用いて骨盤深部の解剖構造を紐解き，臨床解剖との相違点や疑問点を含めて解説する。