特集 胎盤の科学がもたらす周産期疾患の新たな理解
5.胎盤に対する遺伝学的検査
長谷川 ゆり
1
,
三浦 清徳
1
Y. Hasegawa
1
,
K. Miura
1
1長崎大学産婦人科
pp.1095-1102
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002727
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
現在行われている胎児や胎盤の機能評価は非侵襲的ではあるものの,間接的であるため偽陽性が多いことが問題点として挙げられる。母体血漿中には胎盤由来の核酸成分が流入していることが知られており,その技術を用いることで胎盤の機能評価を直接的かつ非侵襲的に行うことが可能と考え,妊娠中に母体血漿中で検出されるが,分娩後に速やかに母体血漿中から消失する妊娠関連cell-free microRNAを同定した。さらに,妊娠に関連する疾患である絨毛性疾患と正常妊娠との鑑別および前置胎盤と正常妊娠を比較し,術中出血量や警告出血の予測に有用な分子マーカーの同定を行った。
Copyright © 2023, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.