特集 胎盤の科学がもたらす周産期疾患の新たな理解
4.sFlt-1/PlGF比と胎盤機能
大口 昭英
1
A. Okuchi
1
1自治医科大学産科婦人科学講座
pp.1091-1094
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002726
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胎児予後不良に関連するFGRについては,FGRに先行してPlGF低値やsFlt-1/PlGF比高値がみられることが多い。また,胎盤虚血に関連したFGRではそのPlGF値は異常低値を示す(sFlt-1は大きく変化しないが,sFlt-1/PlGF比は大きく変化を示す)。現在保険収載されているsFlt-1/PlGF比は,妊娠高血圧腎症の予測のみならず,胎児予後不良も予測する。sFlt-1/PlGF比>38の場合,その後に周産期死亡・胎児死亡,34週未満の早産,SGA児,早剝,新生児呼吸窮迫症候群,壊死性腸炎,あるいは脳室内出血を発症しやすい。
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