特集 胎盤の科学がもたらす周産期疾患の新たな理解
6.超音波検査による胎盤・臍帯の評価
長谷川 潤一
1
,
佐治 正太
2
,
古谷 菜摘
2
J. Hasegawa
1
,
S. Saji
2
,
N. Furuya
2
1聖マリアンナ医科大学・大学院・周産期発生病態解明学分野
2同 産婦人科学
pp.1105-1110
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002729
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胎児は受精卵からつくられるが,胎盤や臍帯,羊膜も受精卵の一部から形成されるため,これらを総称して胎児付属物という。すなわち,胎児付属物は,今回の妊娠のためだけに作られたものであるので,正常では児の分娩後に続いて速やかに娩出される。胎児が子宮内で母体から栄養や酸素を得て,老廃物を母体血に引き渡す,いわば胎児の生命維持装置である。そのやり取りのために,胎盤には母児の血液が多量に灌流しており,その異常の発生は胎児の生命だけでなく,母児の各種トラブルや後遺症と深く関連するため,妊娠中の超音波診断は非常に重要である。本稿では,胎盤・臍帯の超音波画像診断について解説する。
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