今月の臨床 胎児発育不全(FGR)の管理Up To Date
原因別にみた管理の実際
臍帯・胎盤要因
胎盤限局性モザイクによるFGR
三浦 清徳
1
,
増﨑 英明
1
1長崎大学医学部産婦人科
pp.951-959
発行日 2016年10月10日
Published Date 2016/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208879
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●胎盤限局性モザイク(CPM)とは,胎児は正常核型であるが,胎盤にのみ染色体異常が認められる状態である.
●特発性の胎児発育不全(FGR)の約10〜20%に胎盤限局性モザイク(CPM)が認められる.
●CPMには胎児に片親性ダイソミー(UPD)などの遺伝子異常が存在している可能性があり,その診断には染色体検査に加えて遺伝子多型解析が有用である.
●CPMによるFGRの発症機序として,CPMに伴う胎盤機能異常やUPDによる胎児因子が考えられる.
●CPMの診断は,FGRの原因を明らかにするだけでなく,出生後の成長・発育のフォローアップにとって重要な情報をもたらす.
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