臨床経験
前置胎盤における母体血漿中胎盤特異的microRNA流入量に関する検討
長谷川 ゆり
1
,
三浦 清徳
,
増崎 英明
1長崎大学 産婦人科
キーワード:
胎盤
,
前置胎盤
,
帝王切開術
,
失血-外科
,
Human MIRN518 MicroRNA
,
Human MIRN517 MicroRNA
Keyword:
Cesarean Section
,
Placenta
,
Placenta Previa
,
Blood Loss, Surgical
,
MIRN517 MicroRNA, Human
,
MIRN518 MicroRNA, Human
pp.751-755
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00535.2016353388
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妊娠32週に採血を行った前置胎盤20例(前置胎盤群)と常位胎盤26例(コントロール群)を対象に、母体血漿中胎盤特異的microRNA(miR-517a、miR-518b)流入量について比較検討した。その結果、1)前置胎盤群はコントロール群と比較して、母体血漿中miR-517a流入量が有意に多く、miR-518b流入量が有意に少なかった。2)コントロール群、警告出血のあった前置胎盤群と警告出血のなかった前置胎盤群の3群に分け検討すると、miR-517aのみ、コントロール群ならびに警告出血のなかった前置胎盤群と比較し、出血のあった前置胎盤群で流入量が多い結果となった。また、前置胎盤群における母体血漿中miR-517aおよびmiR-518b濃度は、帝王切開時の出血量と有意な正の相関関係を示した。以上より、母体血漿中胎盤特異的microRNA流入量、特にmiR-517aは前置胎盤の出血量を予測する分子マーカーとなる可能性が示唆された。
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