特集 器官―その新しい視点
6.生殖器
胎盤
福岡 秀興
1
Hideoki Hukuoka
1
1東京大学医学部母子保健学教室
pp.446-450
発行日 1996年10月15日
Published Date 1996/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901129
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ポイント 母児の特殊なCa代謝調節系を生み出す胎盤の生理的意義
妊娠中は,胎児胎盤系が存在していることにより,母体と胎児では非妊娠時のCa代謝調節系とは全く異質といってよい系が働いている。すなわち胎盤は腎外性に活性型ビタミンDを大量に転換産生して,これがPTHを介さず母体のCa代謝を主として制御している。さらに胎盤は胎児側へCaを能動輸送して,胎児は高イオン化Ca血症に暴露される。その結果高カルチトニン血症が生じて,これが胎児Ca代謝の中心物質として機能する。
Copyright © 1996, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.