症例
腟前庭部全面を覆う陰唇癒着症に対し再発予防の観点から考察したZ形成術による治療報告
早川 史保子
1
,
岡田 十三
1
,
吉田 茂樹
1
S. Hayakawa
1
,
J. Okada
1
,
S. Yoshida
1
1愛仁会千船病院産婦人科
pp.1063-1068
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002711
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陰唇癒着症は後天的に陰唇が癒着するもので,高齢者では外科的治療が主となるが再癒着も多い。症例は78歳女性,排尿困難を主訴に受診,両側大陰唇全体の強固な癒着を認めた。メスで陰唇を左右に分け,大陰唇両側にZ形成術を2回連続して用いることで再癒着防止策とした。Z形成術は形成外科領域で瘢痕拘縮の治療に用いられる。これを産婦人科領域において再癒着防止策として応用した報告例はあるが,より広い範囲の癒着に対し連続で用いた報告はない。今回,Z形成術を縦に連続して用いることで応用可能であると確認し,より効果的な適応法について検討した。
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